普段は自転車通勤をしている社員がいます。
ただ、天候によっては電車で通勤することもあります。
たまに電車で通勤する人が通勤中にケガ等した場合は、労災は適用になるのでしょうか?
また、電車ではなく自動車で通勤してきた場合はいかがでしょうか?
基本的には、普段と通勤方法が違っていても、「住居と就業の場所との間を、合理的な経路及び方法により往復」していれば、通勤災害の対象となります。

もっと詳しく

上記のような回答となる根拠は、通達(昭48・11・22基発第644号)にあります。

この中に次の記載があります。

 

合理的な方法について

鉄道、バス等の公共交通機関を利用し、自動車、自転車等を本来の用法に従って使用する場合、徒歩の場合等、通常用いられる通勤方法は、当該労働者が平常用いているか否かにかかわらず一般的に合理的な方法と認められる。

このように合理的な方法は、一つだけではなく複数あると認められています。

 

合理的な経路について

経路については、乗車定期券に表示され、あるいは、会社に届け出ているような、鉄道、バス等の通常利用する経路及び通常これに代替することが考えられる経路等が合理的な経路となることはいうまでもない。

合理的な経路についても、一つだけではなく複数あると認められてます。

 

そのため、今回の質問のように「普段は自転車で通勤し、雨が降った時などに電車を使用する。その時に通勤災害にあった場合」は労災の対象と考えられます。

 

また、自動車で通勤した場合にも「通常用いられる通勤方法」となりますので、労災の対象と考えられます。

 

但し、通勤災害とならない場合も

通達(昭48・11・22基発第644号)には、次のようなことも記載されています。

 

例えば、免許を一度も取得したことのないような者が自動車を運転する場合、自動車、自転車等を泥酔して運転するような場合には、合理的な方法と認められない。

当然ですが、上記のようなケースでは認められないようです。

 

なお、飲酒運転の場合、単なる免許不携帯、免許更新忘れによる無免許運転の場合等は、必ずしも合理性を欠くものとして取り扱う必要は無いが、この場合において、諸般の事情を勘案し、給付の支給制限が行われることがあることは当然である。

このような場合は、労災としては取り扱うが、何かしらの制限が行われるということになります。

 

また、労災として取り扱われるには、通常の労災要件を満たす必要がありますので、一般的に認められるような経路を大きく逸脱していたりすると対象外となりますのでご注意ください。