当事務所からクライアントに対して、
「社員満足度を上げるために、社員の意見を聞いて、現場に反映させませんか?」
このように提案すると、経営者からよく言われる言葉があります。
「何で社員のわがままを聞かないといけないの?」
本当によく言われます。
確かに、このように言いたくなる気持ちは分かります。
会社の経営者は、本当に努力しています。
自分で事業を起こし、集客をして、サービスを提供し、お金の動きを管理する。
他にもやることはたくさんあります。
毎月、社員の給料を払うために、売り上げを確保し、キャッシュフローにも気を配り・・・・他にもたくさん。
本当に、胃が痛くなるような日々です。
そのため、経営者から見ると、会社に雇われて毎月の給料が確保されている社員は、自分に比べれば気が楽だと感じます。
「ちゃんと毎月給料を払ってるじゃないか」
「それなのに、何でわがままを聞かないといけないんだ」
と、こういう気持ちになるのも理解できます。
ですが、当事務所が提案しているのは
「社員のわがままを聞く」のではなく、
「社員を満足させる」ということです。
この2つは、明らかに違います。
何が違うのかと言いますと、子供を育てるときをイメージすると分かりやすいと思います。
子供が物心ついてきて、ゲーム機が欲しいと言い出したとします。
まぁ、本体とソフト1、2本ぐらい買ってあげるのは、いいでしょう。
ですが毎月毎月、子供がねだってくるソフトを買い与えるとなるとどうでしょうか?
これは、「わがままを聞いている」状態ですね。
毎月ソフトを買ってもらえることが当たり前だと思って育っていくと、将来ろくな大人になりません。(ゲームがダメと言ってるわけではありません。)
話は戻りまして、
子供が物心ついてきて、何かにものすごく興味を持ったとします。
そこで、子供が興味を持ったことに打ち込める環境を作ってあげたとしたらどうでしょうか?
子供は喜んで、興味を持ったことに打ち込んで、どんどん吸収していくのではないでしょうか。
この「打ち込める環境を作ってあげた」事は、「わがままを聞いている」状態ですか?
そうではないですね。
このケースでは、「満足できる環境」を与えた形になります。
今回は、子供で例えましたが、会社の社員についても同じことが言えるということは、想像できるのではないでしょうか。
このように、
「社員のわがままを聞く」
「社員を満足させる」
この2つは、明らかに違うわけです。
私も、「社員のわがまま」は、聞く必要は無いと考えています。
(ただし、その時はきちんとした根拠を元に、そのわがままを聞くことができない理由を説明するようにしています。)
しかし、「社員の要望」はしっかりと聞いて、改善できるところは改善し、「社員を満足させる」事はとても大切だと考えています。
なぜなら、会社が社員の要望をきちんと聞いてくれる場合は、
「うちの会社は話を聴いてくれる」
という認識ができ、雰囲気も良くなるからです。
こうなると、社員の満足度が上がっていきます。
社員の満足度が上がると、仕事のやる気が出てきます。
仕事のやる気がでると、仕事の内容が良くなります。
仕事の内容が良くなると、顧客の満足度が上がっていきます。
顧客の満足度が上がると、会社の利益が上がってきます。
会社の利益が上がると、社員に還元できます。(さらに要望を聞いたり、ボーナスをアップさせたりできる)
そうなると、またまた社員の満足度が上がります。
まさに好循環ですね。
これができてる会社とできていない会社では、どんどん差がついていくことになります。
まずは、現場の意見を聞くことから始めてみませんか?