一般的によく行われている1日ごとに15分や30分単位で残業時間を切り捨てるやり方ですが・・・・。

 

これは、一般的に違法です!


日々の労働時間の切り捨ては認められていません。

そんなことを続けると、未払い残業が増えていく一方となります。

 

いつか、辞めた社員から残業代を請求されたら、確実にその切り捨てた時間分も請求してきますし、今いる社員の不満もたまります。

 

何も良いことがありませんので、1日ごとに切り捨てを行っている場合は、今すぐに辞めて、1分単位で労働時間を集計しましょう。

 

例えば、こんな日があったとします。

出勤時間:9時00分退社時間:18時14分(休憩1時間)

 

この日の退社時間を切り捨てて18時とするのはNGで、そのまま集計します。

 

そのため、この日の法定外残業は14分となります。

 

基本的に、この14分に割増賃金が必要となります。

 

1ヶ月単位で、30分未満を切り捨てるのはOK

ここまで、労働時間の切り捨てはNGということを言い続けてきました。

 

しかし、これには例外があります。

 

日々の残業時間は、切り捨てることはできませんが、日々の残業時間を1ヶ月分合計した結果の30分未満を切り捨てて、30分以上を1時間に切り上げるのはOKです。

 

例えば、1ヶ月の法定外残業の合計が31時間25分だったとしましょう。
この場合、残業計算を簡易化するために30分未満を切り捨てて31時間とすることが認められています。(昭63.3.14 基発150号)

 

ちなみに、深夜労働時間や休日労働時間についても同じことが言えます。これらも、1日単位では切り捨てNGで、1ヶ月の合計時間を上記のように端数処理することはOKというわけです。

 

今はパソコンが普及しているので、切り捨てなくても処理は簡単

 

このように、事務処理を簡易化するために、1ヶ月単位の合計を端数処理することが認められていますが、その通達も昭和63年のものです。

 

その当時は、今のようにパソコンも普及していませんでしたので、簡易化するために認めたのだと思いますが、今はどうでしょう?

 

残業計算なんて、パソコンが全部やってくれます。

 

端数があろうがなかろうが自動計算です。

 

それであれば、わざわざ切り捨てや切り上げをする方がめんどくさくないですか?

 

個人的には、月次の切り捨てなんて行わずに、そのまま残業代を払ってあげた方がいろんな意味でいいのでは?と思います。