同じ休日出勤でも割増率が違うことがあるって知ってましたか?

休日出勤の割増率は、「1.35」で確定!ではないって知ってましたか?


実は、休日出勤と一言で言っても、割増率は「1.00」、「1.25」、「1.35」の3パターンがあるんです。

 

 

間違って、全部「1.35」で計算している会社を見かけますが、それは残業代を払いすぎています!

 

 

休日出勤には、2つあります。

その2つというのが「法定休日労働」と「法定外休日労働」です。

 

この2つを間違って間違って、全部「1.35」で計算している会社があります。

 

これでは、多く払いすぎています。

 

つまり、払わなくても良い残業代を払ってるわけです。

 

 

もちろん、1時間分だけであればたいした金額ではないのですが、その分を1年間で計算するとどうなるでしょうか?

 

その金額を優秀な社員のボーナスや昇給にまわす事ができるかもしれませんし、業務効率を上げるために新しいパソコンを買ったりできるのではないでしょうか?

 

今回は、そんな間違いの多い「法定休日労働」と「法定外休日労働」について書きたいと思います。

 

なぜ、「法定休日労働」と「法定外休日労働」の2種類あるのか?

このややこしい状況を生み出すのが労働基準法です。

 

労働基準法第35条に書いてあります。
そのまま条文を記載しても読みにくいので、私が翻訳した内容を記載します。

(休日)
第35条  会社は、毎週1日は休みをあげてね。
2  それができない場合は、4週間の間に4日は休みをあげてね。

 

となっています。簡単ですね。

 

この労働基準法が求めている休日のことを「法定休日」って言います。

 

そして、この「法定休日」に働くことを「法定休日労働」って言います。

 

では、どの休日が「法定休日」になるのか?

それでは、どの休日が「法定休日」になるのかという疑問がでますね。

 

それも、簡単です!

 

就業規則で、この日が法定休日だよって決めた日が法定休日です。

 

例えば、就業規則で「毎週日曜日を法定休日とする」って書けば、日曜日が法定休日になります。

 

この「法定休日労働」について、割増率が「1.35」になるわけです。

 

では、就業規則で何も書いてない場合はどうなるのか?

何も書いてないときは、少しだけややこしいんです。

 

例えば、土曜日と日曜日が休みの会社があったとします。

 

この土曜日、日曜日の両方とも休日出勤した場合、1週間(日曜日~土曜日)のうちで、後ろの休日(この場合は土曜日)が法定休日になって

 

土曜日か日曜日のどちらかだけ出勤した場合は、出勤していない方の休みが法定休日になります。

 

 

つまり、就業規則で何も書いてない場合は、土曜日、日曜日の両方とも出勤した場合だけ法定休日労働があることになります。

 

では、就業規則に「4月1日を起算日として、4週間のうち、4日の休日制をとる」というように、4週4休の場合はどうなるのか?

 

この場合は、休日出勤をしても4月1日から4週間ごとに区切った中に、4日の休みがあれば法定休日労働はありません。

 

たくさん休日出勤をした結果、4週間のうちに3日しか休みが無かった場合は、最後に行った休日出勤が法定休日労働になるわけです。

 

と、こんな感じでとてもややこしいですが、1回基本を押さえてしまえば難しくありません。

 

では、法定外休日労働の割増率は?

法定外休日労働の割増率は「1.00」、「1.25」のどちらかになります。

 

では、具体的にどういった場合に「1.00」や「1.25」になるのでしょうか。

 

それは、法定外休日労働が「法定内残業」になるのか「法定外残業」になるのかで変わってきます。

 

詳しくは、「法定内残業と法定外残業では同じ残業でも割増率が違う」をご覧ください。

 

※大企業の残業45時間越えや60時間超えについては、別記事で書きます。

ちなみに、休日出勤の割増率は上記の通りですが、結局のところは会社の就業規則がどうなっているかが重要です。

もし、全ての休日出勤は1.35って書いていれば、たとえ法律上は1.00で良いケースでも、1.35で支払わなければなりません。

そのため、正しく就業規則を整備することが一番大切なのです。